半信半疑で読む 子育てアドバイス <第二回 後編>
2019/07/19
叱ることについて
①叱ることの大切さのつづきです。
②叱り方について
「感情的になって叱るな」「理詰めで叱るな」「罰(恐怖)をちらつかせて叱るな」
「過去のことを掘り出して叱るな」「だらだらと叱るな」「人格否定するような叱り方をするな」
・・・これらは、叱り方の鉄則と言ってよいと思います。すべて大正解だと私も思います。親も保育教諭も深く頭と心に刻み込む必要があると思います。
ただ、私はこれらの鉄則について多くを語る資格はありません。自分自身の40年の保育教諭としての人生を振り返り、また、自分自身の三人の子どもの子育てを振り返ってみたとき、これらの鉄則は、理解していただけ、頭でわかっていただけだったと認めざるをえないと思うからです。鉄則は頭にありながら、感情的になり、理詰めで、罰をちらつかせ、過去のことを掘り出して、ついだらだらと叱ることもある親の一人だったからです。
ただ、このような私ですが、これだけは守りましたと自慢できる鉄則が一つだけありますので、お話させていただきます。自慢話になりますがお付き合いください。
そして、この一点を読者の皆様も守っていただければ、皆さんも良い親子関係をたもったまま、子どもの成長をうながし、見守り、子育てを楽しんでいただけるものと、私は、確信しています。
私が守った鉄則はただ一つです。「人格否定するような叱り方をしない」この一点です。もう少し具体的に言いますと「バカ」「あほ」「まぬけ」「だめな子」「嫌な子」「救いようのないやつ」「のうなし」「グズ」「きも」「できそこない」「役立たず」「どじ」「つまらんやつ」「情けない奴」「めざわり」「消えて」etc… これらのいわゆる喧嘩言葉[人格否定の言葉]は、ただのひとことも私は使いませんでした。実行できたのは、ただこの一点だけでした。あとはすべて頭でわかっているだけで、満足に守れませんでした。
しかし、この一点だけは守りました。この一点を実行しただけで、子どもたちは、よい親子関係を保ったまま、それなりにではありますが、大きく道を外すことなく成長し、巣立っていきました。そして、このことは読者の皆様の子育てでも必ず成立することだと私は信じて疑いません。
ついでに高齢者ののろけ話もいたします。私は家内に対しても「バカ」「あほ」「まぬけ」等の人格否定の言葉は結婚以来一度も使っていません。冗談の中でも使うことはしませんでした。家内も私に対してけっして言いません。家庭内で、親がこれらの言葉を使わなければ、子どもたちも使いませんでした。
子どもたちは学校・職場・家の外で、その様な喧嘩言葉をほぼ毎日、シャワーのように浴びていたはずです。(残念ながらそれが現実です)しかし、親が使わなければ子どもも使うことはありません。我が家でも当たり前のこととして、親子喧嘩や兄弟げんかはありましたが、この種の言葉を子どもたちの口から聞いたことはただの一度もありません。親が、たった一つの鉄則(人格否定の言葉で叱らない)を守った結果だったと思います。
「人格否定するような叱り方をするな」という鉄則は、他の鉄則「感情的になって叱るな」「理詰めで叱るな」「罰(恐怖)をちらつかせて叱るな」「過去のことを掘り出して叱るな」「だらだらと叱るな」などの大前提であるような気がします。これが出来ていれば、あとはどうでもよいというわけではありませんが、最低限この大前提を守ってやれば、子どもたちも十分にこたえてくれる。その様に考えてよいのだと、私は自分の体験をとおして言い切れます。逆に、ほかの鉄則がいくら守れていても、この大前提が果たされなければ、他の鉄則の効果も危ういものとなるような気がします。
漠然とした子育ての悩み・不安を、ほぼすべてのお母さん方はもっておられることと推測いたします。少年による凶悪犯罪などをニュースでみるにつけ、不安が心に湧き上がるかもしれません。しかし、あなたの家庭内で子どもの心を傷つける人格否定の言葉・喧嘩言葉が飛び交っていないのであれば、心配しすぎる必要はありません。親の不安をよそに子どもたちはしっかり育っていきます。その様に信じて大丈夫です。
(喧嘩言葉ゼロ生活の提案)につづく
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ひかりと風とサクランボ🍒
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