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半信半疑で読む 子育てアドバイス

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半信半疑で読む 子育てアドバイス <第一回>

半信半疑で読む 子育てアドバイス <第一回>

2019/07/10

子育て情報は慎重に読みましょう

『半信半疑で読む 子育てアドバイス』というコーナーを作りました。子育ての参考にしていただけると嬉しく思います。


コーナーの冒頭に半信半疑で読むという見出しをつけることには当然のこととして迷いがありました。なによりも自分が書くことに自信がないかのイメージを与えますし、うけを狙った表現ととられるのも嫌だと思いました。


ただ、随分と迷った末に、最終的には「半信半疑で読む」をつけることにしました。その理由は、子育て・教育といった分野の書物・情報(電子媒体の情報も含む)は、私の文書をふくめ、すべて半信半疑で(慎重に)読むくらいがちょうどよいと本当に考えているからです。

 

今では古典とも言えますが、「スポック博士の育児書」という本があります。1946年に第一版が出され、1998年の第7版まで出版されました。世界中で5000万冊販売されたといわれる大ベストセラーの育児書です。昭和40年代には日本でもベストセラーになりました。現在、こども園に通う子ども達のおばあちゃん世代の中にはこの本を実際に読んだという方がいるかもしれません。また、たとえ直接読んでいないとしても、厚生省(現 厚生労働省)が発行した母子健康手帳と副読本にも、この本の内容が反映されていたといわれていますので、気づかないうちにこの育児書の影響を受けられた方は計り知れないほどいることになります。
(現在の手帳は改定により、その影響は薄くなっています)

 

ただ、インターネットで検索していただくとわかりますが、この育児書に対する賛否は極端にはっきり分かれます。「育児に関するバイブル」厚生省発行の母子健康手帳と副読本に影響を与え、ベストセラーとなった本という高い評価があります。その一方、「ゴミ」「悪書」など、強い敵意を表すマイナス評価もみられます。マイナス評価の中には、育児書で育った子ども達が、1980年代の荒れる中学生問題(中学生が校長室で喫煙し、教師に対する殴るける等の暴力行為が全国レベルで頻発した問題)を引き起こした。そして、この育児書で育った世代が大人になり、現代のモンスターペアレントにつながっていると主張する人もいるようです。私自身は、その意見を支持しているわけではありません。スポック博士と荒れる中学生・モンスターペアレントをすぐに関連付けることはあまりに短絡的な発想だとおもいます。ただ、まったく関係がないとも言い切れません。スポック博士の育児書という一例を挙げたのは、ある時期にベストセラーとなり厚生省発行の文書にまで影響を与えるような本も、視点を変えてみると「ゴミ」「悪書」と酷評されることもあるということです。


・・・育児の難しさと育児書のあやうさを物語る典型的な一例だと思います。

 

「叱るよりほめる」「幼稚園では遅すぎる」「良い子が危ない」
「喧嘩はとめるな」「スパルタでいく」「こんな子どもにだれがした」

 

・・・これらは、私がかつて読んだ育児に関する本のタイトルやキャッチコピーを思い出すままに書いてみたものです。販売を目的とした育児書はどれもこれも刺激的です。これらの本からは、教えられることもたくさんありました。役立たせていただいた点も多くありました。


しかし、今になって思うことは、現在、子育て中のお母さん方に薦める本がありますかと問われても・・・・


自信をもって「はい、これです」といえるものは一冊もありません。少し大げさかもしれませんが、育児書・育児情報というものは、ある意味で薬のような性質を持っているものだと考えた方がよいとおもいます。良い作用をもたらすことももちろんありますが、とんでもない強い副作用をおこしてしまう危険もはらんでいるように私には思えるのです。

 

 

*第一回目として「子育て情報は慎重に読みましょう」というアドバイスをさせていただきました。子育て中のお母さん方が孤立しがちな現代にあって、第一回目の私の話は、逆に不安をあたえるだけになったかもしれません。

 

ただ、アドバイスコーナーを始めるにあたり、最初のテーマとして、どうしても載せる必要があると思いました。お許しください。
これから十数回にわたりアドバイスをかかせていただきます。どうぞお読みください。また、アドバイスが大切なお子さんを育てるうえで良い作用となるものか副作用をもたらすものか、嗅ぎ分けるお母さん自身の練習にも使ってください。アドバイスを書いた本人(園長)がすぐそばにいるのですから、「これはおかしい」と思うものがありましたら、いつでもご意見をお寄せください。

 

私のアドバイスが、みなさんの子育てにお役に立つことを祈りつつ・・・。

 

園長 加耒 義朗

 

 

次回

「第二回 叱ることについて」

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