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半信半疑で読む 子育てアドバイス <第十回 提案編>

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半信半疑で読む 子育てアドバイス <第十回 提案編>

半信半疑で読む 子育てアドバイス <第十回 提案編>

2020/10/02

第十回 言葉かけについて(言語環境)

言葉かけについて(言語環境)後編 につづきます

 

(今回、貧困の連鎖を考える資料を引用させていただきましたが、貧困は慢性的ストレス状態の典型ということであると考えてもよいと思います。貧困という事とは直接関係のない家庭であっても、時間的なゆとりの欠如・仕事の過激さ、責任の大きさ・仕事上のトラブル・家族間のトラブル・夫婦の不仲・病気・高齢者の介護・住宅ローンの重圧感・将来に対する漠然とした不安等、大きなストレス状態が継続している家庭にあっては、たとえ経済的に裕福な家庭にあってもおそらく貧困家庭と同じような数字が出てくる可能性があると思います。逆に、たとえ貧困家庭にあっても、夫婦仲がとても良く、笑顔が絶えない家庭にあっては、裕福な家庭に負けないような言葉環境が作られているのではないかと思います。私見にすぎませんが、その家庭で育つ子ども達は、貧困状況から抜け出していく可能性は高まっているように思います。貧しい家庭の中から偉人とよばれる素晴らしい人が時としてあらわれることがあります。貧しさに負けない真の強さを持ち、賢く暖かい親が作り出した言葉環境がその人の幼少年期にあったにちがいないと私は確信します)

 

生活が苦しい。時間に追われる。ゆとりがない。不安が尽きない。優しい言葉かけをしてあげようといつも思っているにもかかわらず、現実にはつい厳しい言葉ばかりが出てしまう。子どもの寝顔を見ながら、ため息をつき涙ぐむお母さんはたくさんいます。実際はそういう悩みを持つお母さんの方がずっと多いような気がします。そのようなお母さんにとって、今回の資料自体が新たな落ち込みの原因となるかもしれないと考えました。自己嫌悪の原因になるかもしれないと恐れました。

 

しかし、子ども達のために、あえて書かせていただきました。まだまだ間に合うと思うからです。いけなかった点は改善すればよいのです。頭でわかっていてもおそらくこれからも否定的・禁止的な汚い言葉は必ずあなたの口から出てしまいます。


しかし、「しまった」と気が付いたなら、落ち込まずに六倍返しで、肯定的・応援的な言葉をかけようと決心されてはいかがでしょうか?六倍返しです。

 

〇具体的な改善例〇
改善例を覚えやすいように三つ書いてみました。


それが、冒頭の三例です。それ程長い文ではありませんから、ぜひ、頭の隅にこの三つを置いて実践してみてください。実践を繰り返せば、いつか習慣となり身につきます。

 

1.人格否定の言葉をいっさい使わないと心に決めてしまう。
努力するだけでは不十分です。絶対に使わないと硬く心に決めてしまいます。
*悪い子・ダメな子という言葉がもし出たら、すかさず(と)をつけます。
「かたづけないのは、悪い子だ」・・・「かたづけないのは、悪い事だ」
「悪い子」が「悪いこと」になります。
「だめな子」が「ダメなこと」になります。
子どもの人格否定が、子ども行為の否定にかわります。これが叱るという事です。

*このポイントは三つの中で最も大切な改善点です。ぜひ、このポイントを最重点課題として取り組みましょう。
この事だけでも改善できれば、子どもを取り巻く言葉環境は劇的にかわります。おそらく、子ども自身がかわっていきます。

 

2.否定形・命令形はやめて、肯定形・提案形にかえる努力をする。
「廊下は走るな」・・・「廊下は歩こうね」
「食べなさい」・・・「食べようね」「はい、食べるよ」
「〇〇ちゃんにあやまりなさい」・・・「〇〇ちゃんにごめんって言ってみようか」

 

3.人中心の褒め方より、過程中心の褒め方をしてみましょう。
「100点とれて頭がいい子だ」より「100点とれるまでよく頑張った」
どちらとも褒め言葉です。「100点とれて、頭がいい子だ」という褒め方が悪いという事ではありません。ただ、ここでは、過程中心の褒め方のほうが、意欲という観点からより効果的であると言われていますので、取り上げました。小学5年生128人にパズルをさせるという実験を紹介します。参加したすべての子はパズルを完成しました。そして、すべての子が褒められました。ただ、褒め方に差をつけてみました。どのような差かと言いますと、「頭が良い」という褒められ方と、「頑張った」という褒められ方です。次に、子ども達に、今よりずっと難しいけれど、今のより勉強になるパズルをするか、それとも最初のパズルと同じくらい難しいパズルにするか選択させました。その結果、「頭が良い」と褒められた子ども達の33%の子どもが難しいパズルに挑戦したのに対し、「頑張った」と褒められた子ども達は92%の子どもが難しいパズルに挑戦することを希望したそうです。意欲という点において「頑張ったね」という過程を褒めるほうが、より効果的であるという一例として紹介しました。

 

 

言葉環境を整えてあげることは、無意識のうちになされる最高・最強の教育だと考えましょう。ことさらお上品な言葉である必要はありません。人格否定の言葉をやめ、あたたかい言葉かけであれば、博多弁丸出しでよかとです。三例を意識していただければ整います。それは、親が作ってあげる最高の教育環境であり、子どもの生涯において、親から子どもに贈ることができる最良のプレゼントです。世界中にあるどのような優れた教材よりも、最高に優れた価値のある教材です。しかも、無料の教材です。

 

「ボーっとして生きてんじゃねえよ」・・・粗悪な言葉が面白おかしくゴールデンタイムにNHKから流れてくる時代の中を、今まさに子ども達は生きています。しかし、お父さんお母さんの作り出す言葉環境が整えられたあたたかいものであれば、子ども達は、社会の劣化に負けることなく、それほど影響されることもなく、まっすぐに成長していきます。お父さん・お母さんが作り出す良い言葉環境は、子ども達の幸せな生涯のいしずえです。お城の石垣をイメージしてみましょう。お父さん・お母さんが選んだ良い言葉かけ一つ一つが石垣の石です。その積み重ねの上に、子ども達は自分の人生を築きます。大嵐にも崩されない人生を築きます。

 

 

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