半信半疑で読む 子育てアドバイス <第三回 前編>
2019/08/13
ほめることについて
―第二回 叱ることについて につづきまして、第三回です。
中庭に人工芝を張っていた時のことです。りす組(1歳児クラス)のトイレから、H先生の明るい声が響いてきました。
「○○先生・・・すごーい・・・○○ちゃんが・・・座ってウンチが出来ました・・・すごーい良かったね、〇〇ちゃん、えらかったね!」
それを聞いた他の先生たちの楽しそうな声も後に続きます。
「○○ちゃんよかったね・・・がんばったね!」
こうしたシーンは、こども園でのありふれた日常の一シーンです。子どもの一歩の成長を保育教諭が共に喜び合う光景です。私は、こうした光景に接する環境にいる自分を、本当に幸せ者だと思います。なぜなら、大げさに聞こえると思いますが、こうした一歩一歩は子ども達がこれから生きていくための底辺となる自尊感情・自己肯定感がはぐくまれているとても大切な瞬間瞬間だからです。褒めるという事は、この自尊感情・自己肯定感をはぐくむ上で最も大切な要素の一つです。
保育教諭に対する社会的評価に関して、日本での評価は、とても低いのが現実です。残念ながら誰でも出来る仕事の一つのような扱いがされています。報酬に至っては、全産業平均よりも月10万円も低いといわれています。(現在は若干改善傾向にある)しかし、実際はとても重要な役割を担っている仕事です。乳幼児教育に関して、ヨーロッパではすでに、30年ほども前に、その重要性の認識が科学的に証明され、それに伴い保育教諭の社会的評価や処遇も大変高くなっています。報酬に関しては、小学校教諭の報酬とほぼ同額です。なぜなら、0~6歳までの保育・教育が、その子の長い人生を左右するといっても過言ではないと考えられるようになっているからです。
NHKの特集番組で幼児教育先進国といわれる北欧の教育担当大臣のインタビューが流れていました。
「なぜ、乳幼児教育に力を入れるようになったのか」という記者の質問に答える大臣の言葉はとっても明快でした。詳細な内容は記憶していませんが、要約すると次のような内容でした。
「将来、健全な社会を形成し維持していくためには、乳幼児に対する教育に投資をすることが、最も効果的であるという事を、私たちは理解したからです。」
また、「・・・良き納税者を育成するためにも乳幼児教育はとても大切なことです・・・」という発言がありました。
この発言は私にとっては衝撃でした。その発言は、国造りの根幹に乳幼児教育をすえているという事を意味する発言でもあるからです。乳幼児教育の大切さは、単にその子の将来の幸せだけのことではなく、国の繁栄と国の幸福度を高めるために、国家として取り組むべき最重点課題の一つとして位置づけられているということです。
硬い話になってしまいましたが、注目していただきたいことは、乳幼児期の教育が、納税問題と関係づけられているという点です。「乳幼児保育」と「良き納税者」この一見つながりそうもない二つの言葉をつなげるものは一体何でしょうか。そのヒントこそ、先に書いています自尊感情と自己肯定感にほかありません。
ほめることについて<後編> につづく
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明るく・仲良く・元気な子ども!
認定こども園
ひかりと風とサクランボ🍒
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